関節リウマチの新薬メトジェクト(メトトレキサート注射製剤)を導入しました
お知らせ
柏木内科でも関節リウマチ治療薬の新規薬剤メトジェクトを使用できるようになりました。
メトジェクトはMTX(メトトレキサート)を皮下注射で使用する薬剤です。
目次
関節リウマチ診療ガイドライン
関節リウマチ治療におけるMTX(メトトレキサート)の位置づけ
ガイドラインにもあるように、関節リウマチと診断された場合、第一選択の薬剤はMTXになります。
世界的にも一番中心になる薬剤(アンカードラッグ)と位置づけられています。
MTXが第一選択薬となる理由
- 治療効果について明確なエビデンス(科学的な裏付け)が豊富で、最も有効性の高い薬剤の一つである。
- 治療効果は2週間〜4週間であらわれ、比較的効果発現が早い。
- 関節破壊をふせぎ、生命予後を改善させる効果が確認されている。
- 生物学的製剤やJAK阻害薬など、他の薬剤との併用での治療成績も高い。
MTX治療における問題点 副作用により継続困難な例がある。
MTXを内服した日に吐き気やむかつき、下痢などの消化器症状が出る場合があり、MTXを続けるのが困難な患者さんがいます。
メトジェクトの特徴
メトジェクトは注射製剤であり、内服に比べて効果はかわりなく、吐き気などの副作用が内服に比べて少ないことが明らかにされています。
(日本のデータで吐き気などの消化器症状はMTX内服治療で34%、MTX皮下注射治療で15.4%)
メトジェクト使用の実際
週1回皮下注射(おなか、ふともも、うで)します。
自己注射も可能です。
メトジェクトがすすめられる患者さん
- 吐き気や下痢などの症状のためMTX内服が続けられなかった
- MTXが有効なものの、吐き気や下痢などの症状のためMTX内服を増やせない
- 注射に抵抗がなく、内服薬が多くて減らしたい
- 週1回のMTX内服の管理が困難で、ご家族等周囲の方が注射できる
メトジェクトがすすめられない患者さん
- 注射に抵抗がある
- 妊娠中。授乳中もしくは妊娠を予定している
- 腎障害
- 肝障害
- 肺病変
- 活動性の感染症がある
- 胸水、腹水
(2〜7は内服のMTXと同様です)
関節リウマチ治療の選択肢が増えました。
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