手足の冷えが気になる方へ
院長コラム
レイノー現象の可能性があります
冬場の気温が下がったとき、冷たい水にふれたとき、冷蔵庫や冷凍庫の中に手を入れたときなどに、手が冷たくなったり、指先が白くなったりする事はないでしょうか?
症状が強い場合はレイノー現象の可能性があります。
レイノー現象の症状
レイノー現象は、血管の異常な収縮によって手や足の先の血液の流れが悪くなることによって起こります。
手や足の先の、冷え、痛み、ジンジン感、チクチク感、しびれ、細かい作業がしづらいなどの症状が起こります。
正式には、血管の収縮、毛細血管への血液のうっ滞、反応性の血管拡張に伴い、白→紫→赤の順に色が変化すると言われていますが、白く変化する事だけでもレイノー現象とされます。
レイノー現象の原因
振動機械の使用、多血症。クリオグロブリン血症、寒冷凝集素血症、手根管症候群、甲状腺機能低下症、褐色細胞腫などの様々な病気でみられますが、膠原病に伴うものも多くみられます。
レイノー現象のみられる膠原病
- 強皮症
- 混合結合組織病
- 全身性エリテマトーデス
- 多発性筋炎・皮膚筋炎
- シェーグレン症候群
レイノー現象が心配な方は、膠原病の評価をすることをおすすめします。
レイノー現象の治療
治療薬としては以下のものが使用されます
- カルシウム拮抗薬 :ニフェジピン(アダラート)、ジルチアゼム(ヘルベッサー)、アムロジピン(ノルバスク)等
- ARB・ACE阻害薬:カンデサルタン(ブロプレス)、ロサルタン(ニューロタン)、エナラプリル(レニベース)、イミダプリル(タナトリル)等
- プロスタグランジン製剤:ベラプロストナトリウム(ドルナー、プロサイリン)
- ニコチン酸トコフェノール(ユベラN)
レイノー現象の日常生活指導
防寒対策:冷たい水は避けて温水を使う。手や足先だけでなく体全体を温める。外気に触れることをへらすため、皮膚の露出が少なくなるようストッキング、手袋、マフラーなどを使用する。
ストレス予防:ストレス軽減に心がける。
禁煙:タバコで手や足先の血流低下は激しいため、徹底的な禁煙が重要です。
その他
最近になり、肘を温熱シートで温めるヒエナースという商品が発売されています。
手の冷えに対してある程度の効果があるようです。
上記の対策を行った上で補助的に使用するのも良いかもしれません。
薬局で購入できますので、ご案内しておきます。